第46章 たくさんの血、朝本ヒカリが殺人をした

朝本ヒカリはその声を聞き分けた。背筋が凍りつく思いだったが、自分の体を無理やり力を抜いて、背後の男性に身を預けた。

彼女の方から抱きついてきたことに、河本晃裕は一瞬戸惑ったが、すぐに血の気が上がり、この廊下で今すぐにでも彼女を抱きたいと思った。

朝本ヒカリは首を捻り、河本晃裕に自分を離すよう目配せした。

河本晃裕は確かに彼女の口を塞いでいた手を放した。朝本ヒカリは息を切らしながら階段に伏せ、めまいが収まるのを待ってから口を開いた。

「河本様はもう私がどんな女か分かってるんでしょう?今回はちゃんと用意してきましたか?」

彼女の声には色気が滲み、河本晃裕の体は半分しびれたよう...

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