第52章 愛と愛さない、はっきり区別する

いつも一緒で、本当にラブラブだ。

鈴木雪乃のガーゼ交換についての投稿を思い出し、朝本ヒカリは吐き気を覚えた。

藤井謙信の視線を感じ、朝本ヒカリはすぐに目を伏せ、お湯で食器を温め、佐藤瑶子と白石延の前にそれぞれ置いた。

「謙信兄!あの子たちが私をいじめてるのに見てるだけなの?」藤井有希代は散々騒いでも藤井謙信が反応しないので、不満げに言った。

藤井謙信の視線はまだ朝本ヒカリに向けられていた。彼女が彼を見るなり笑顔を消し、他の男性に細やかな気配りをする様子を見ていた。

男の整った顔がわずかに沈み、視線を戻した。

「どう虐められたんだ?」

「延兄と義姉たちが楽しそうだっ...

ログインして続きを読む