第57章 おとなしくして、協力して

朝本ヒカリは顔を上げて、藤井謙信をじっと見つめた。

「左目であなたの妄想症、右目であなたの自己愛性人格障害を診断したわ。しかも両方とも末期ね。後で調べて、どこの病院に行けばいいか教えてあげる」

藤井謙信は怒る様子もなく、薄い唇を少し引き上げた。

「そんなこと言う前に、まずスカートを履いた方が説得力があるだろう」

朝本ヒカリは彼が入ってきた時、自分がお尻を突き出してスカートを脱いでいたところだったことを思い出し、その姿が確かに恥ずかしかったかもしれないと思った。

今も破れたスカートが膝の辺りに引っかかったままで、両脚の間はひんやりと空気を感じていた。

露出した太ももの肌は男性のスー...

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