いつまでも幸せに

エイブラハム・ポロック視点

無意識に、お気に入りのペンを指の間で弄ぶ。目の前のスクリーンでは、数字がぼやけて流れていく。最近はいつも同じだ――利益、予測、グラフ……。

昼過ぎから眉間に根付いた緊張を押しやろうと、眉間を二本の指でつまむ。頭をクリアにしなければ。次の投資は的確でなければならない。他の案件と同様、戦略的に。特に、あの指輪を手に入れるためだけに手放した、馬鹿げた額の株式を他の事業でようやく取り戻した今となっては。PLK社の持ち株の五パーセント……純資産から数百万ドルが削り取られた。

それでも……あれは俺がこれまで下した中で最も簡単な決断だった。

ヴィクトリアがあの指輪をほん...

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