第114章

達也の問いに原田桐也は押し黙り、どう説明すべきか答えあぐねていた。

そこへ安藤絵美が達也の前に歩み寄り、その頭をポカリと軽く叩いた。

「弟なんてどうでもいいの。あなたと哲也だけで十分手一杯よ。さっさと寝なさい」

そう言うと、彼女は自ら哲也と達也を隣の部屋へと連れて行き、二人をベッドに寝かしつけた。

哲也と達也が瞳を閉じると、安藤絵美は振り返って原田桐也を見つめた。

「桐也様、あの子たちはまだ小さいですし、突然知らない場所に来て不安かもしれません。私がここに残って付き添います」

「君も疲れているだろう。早く戻って休んだほうがいい」

原田桐也は深い眼差しで彼女をしばらく見つめてから...

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