第127章

「桐也様、今すぐにでも安藤丘を捕まえたいわ。そうすれば、私の本当の父親が誰なのか聞き出せるもの」

安藤絵美は原田桐也の胸に顔を埋めながら、その琉璃のような瞳を瞬きもせずに見開いて言った。

原田桐也は彼女に告げる。

「安藤丘の捜索にはすでに人を動かしている。長くても二日、それまでには何らかの報告が入るはずだ」

実のところ、安藤絵美自身も人を遣って安藤丘を捜させていた。だが安藤丘は用心深い男だ。丸一日が経過してもなお、彼女のもとに捕獲の報告は届いていない。

原田桐也が協力してくれるのなら、勝算は幾分か高まるだろう。

安藤絵美は手を伸ばし、彼を抱きしめた。

「桐也様……安藤丘が実の父...

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