第13章

原田桐也の顔が「さっ」と曇った。

安藤絵美は気まずく笑い、慌てて身を翻して彼に背を向けながら電話に出た。

総監督からの電話だった。「今日はそのまま帰っていいよ。撮影クルーには来なくていい」

硬い口調で、どうも機嫌が悪そうだった。

安藤絵美は何を教えても覚えられない森川エリのことを思い出し、監督の不機嫌さが十分理解できたので慰めた。「今日は初日ですから、みんな緊張するのは当然です。明日はきっと良くなりますよ」

「ふん」

監督は突然嘲笑うように笑い、軽蔑した口調で言った。「心配しなくていい」

「プツプツ」

電話が切れた。

安藤絵美は携帯を見つめ、少し訳が分からなかった。

なぜ...

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