第135章

「四宮喜咲の依頼は断って。受けるのは高藤琉唯の件だけよ」

安藤絵美は少し考えた後、そう決断を下し、古村苗に告げた。

古村苗は思わず呆気にとられる。

「絵美ちゃん、以前あんなに揉めた高藤琉唯の依頼を受けるのに、どうして四宮喜咲のは断るの?」

「今日のお昼、四宮喜咲に会ったからよ。あの子、高藤琉唯より百倍も胸糞悪い女だったわ」

安藤絵美は隠すことなく、昼間に起きた出来事、そして自分と二人の子供たちに向けられた四宮喜咲の反応を洗いざらい話した。

事情を知った古村苗は、ようやく納得がいったようだ。

「あの四宮喜咲が、桐也様に気があるですって? 安心して、すぐに断りの連絡を入れるわ。あん...

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