第140章

四宮喜咲は、隠しきれない驚愕を顔に浮かべた。

彼女は信じられないといった様子で、安藤絵美を見つめる。

「そんな馬鹿な。あなたのように若い女が、あれほど高名なデザイナーだなんてあり得ないわ」

安藤絵美はバッグからデザイナーとしての名刺を取り出すと、四宮喜咲に手渡した。

「年齢は問題ではありません。あまり頭を固くなさらないで」

その口調は平淡だったが、四宮喜咲にはそれが自分への当てつけのように感じられた。

「桐也様、入りましょう」

安藤絵美はそれ以上四宮喜咲を相手にせず、原田桐也にそう告げると、彼の腕を組んでオークション会場へと歩き出した。

高藤琉唯は、四宮喜咲が苦虫を噛み潰した...

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