第212章

古村苗の瞳は、目の前に黄金の山がそびえ立っているかのように輝いていた。

「絵美ちゃん、今回のジュエリーデザインに集中しなきゃいけないのは分かってる。でもね、絵美ちゃんの才能なら、ドレス一着分の時間くらい捻出できるはずよ! 頼むから引き受けて! 一週間もかからない仕事で十六億、うまくいけば二十億も手に入るのよ? こんなオイシイ話、次はいつ転がり込んでくるか分からないんだから!」

古村苗はさらに熱弁を振るう。

「あの高藤琉唯だって、前回はそこまでの額じゃなかったじゃない。あれだって、あなたの正体を知った高藤家が、罪滅ぼしのつもりで上乗せした金額だったのよ?」

古村苗の興奮をよそに、安藤絵...

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