第24章

「森川エリ、足は折れていたはずなのに、まだ立って人を蹴れるのか?もしかして鉄でできているのか?」

安藤絵美の皮肉な声が廊下に響き渡ると、周囲の人々は騙されていたことに気づき、一斉に非難の目を森川エリに向けた。

森川エリは怒って立ち上がり、目の前の鈴木雲を睨みつけた。「あなたは彼女と一味でしたのね。さっき私の足を診てくれたふりをして、実は接骨してくれたんでしょう?」

ちょうどその時、古村苗が角に落ちていた口紅を見つけ、駆け寄って拾い上げ、鈴木雲に手渡した。

「鈴木先生、見てください。これが森川エリの毒入り口紅です。彼女が言うには、塗るとすぐに唇が腫れ上がり、全身に赤い発疹が出て、耐えら...

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