第30章

田中淑子は階下に降り、原田桐也も部屋に戻らず、階下のある客室に向かった。

客室には浴室があり、彼は水を最も冷たい温度に設定し、シャワーの下でずっと浴び続けた。

原田桐也は両手を強く握りしめ、手の甲に青筋が浮き出ていた。瞼を固く閉じていても、脳裏に浮かぶ安藤絵美の艶やかで白い肢体を抑えることができなかった。

自分の身体が強烈に反応しているのを明確に感じ、今すぐ浴槽から出て、寝室に戻って安藤絵美を抱きたい衝動に駆られた。

しかし残された理性が彼に警告していた。安藤絵美は今熱を出している。そして今の自分は薬を飲んだせいで最も欲求が強い状態だ。もし無謀にも安藤絵美を抱いてしまえば、その結果は...

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