第358章

安藤絵美は高藤家とは違う。高藤家の人間は四宮志延を徹底的に破産させ、無惨な結末を迎えさせることを望んでいる。だが彼女は、自らの実力で四宮志延の会社に勝ちたいだけなのだ。

その結果、相手の会社が破産するかどうかは、彼女の知ったことではない。

安藤絵美が本心から気にしていない様子を見て、高藤琉唯はようやく安堵の息を吐いた。

折よく古村苗がコーヒーを運んできたので、彼女はそれを受け取り、一気に飲み干す。

幸いコーヒーは熱くなかった。そうでなければ、古村苗は高藤琉唯の喉を焼いてしまったことになるだろう。

コーヒーカップをサイドテーブルに置くと、高藤琉唯はバッグを手にソファから立ち上がり、安...

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