第359章

高藤琉唯はしばらくの間、呆気にとられていたが、ようやく我に返った。

そして、まるで映画のスローモーションのように、ゆっくりと首を巡らせて安藤絵美の方を向く。

「絵美ちゃん、どうやって助けてくれるの?」

安藤絵美は淡々と言った。

「誰かをあなたの会社の入り口に向かわせて、その場で田中晃の母親のメイクを落とさせるの。そうすれば、あの女が可哀想な母親を演じているだけだって、みんなすぐに気付くわ」

傍らにいた古村苗も、安藤絵美の言葉を引き継ぐように口を開く。

「さらに、田中晃の母親が夫の死後、実はパートなんて一切しておらず、遺産を使って豪遊していたという証拠も突きつける。そうすれば世間は...

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