第363章

「なんてことなの、本当に頭にくるわ」

古村苗の第一反応もまた、四宮志延が四宮喜咲を庇うために動いたのだというものだった。

だが、罵詈雑言を並べ立てようとした瞬間、彼女は思い留まった。四宮志延は、安藤絵美の実の父親なのだ。もしかすると、事情は自分たちが思っているようなものではないのかもしれない。

それに、彼が実の娘である安藤絵美のことを深く気にかけているのは、傍目にも明らかだった。

そのため、古村苗は怒りの言葉を一つだけ吐き捨てると、それに続く不満をぐっと飲み込んだ。

少し冷静さを取り戻し、この件についてじっくりと考えを巡らせた彼女は、安藤絵美に向かって口を開く。

「絵美ちゃん、実...

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