第368章

安藤絵美は原田桐也に向かって言った。

「彼の立場も只者ではないし、さっきは明らかに怯えていたわ。だったら、逃げ道を作ってあげてもいいじゃない?」

「敵を作るより、味方につけたほうがマシでしょう」

先ほどの件を安藤絵美が気にしていないのを見て、原田桐也は諦めたように口を開く。

「君が怒っていないなら、それでいい。だが、あのピーターとかいう男がまた無礼な真似をしたら、絶対に隠さず俺に言うんだ」

「やはり、俺の目の届く範囲にいてもらったほうがいい。俺がいない隙に、また誰かに虐められたら困るからな」

心配を隠そうともしない彼を見て、安藤絵美は呆れたような顔をする。

「桐也様、私が誰かに...

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