第369章

安藤絵美の話を聞いて、林田里佳はすべての事情を飲み込んだ。

そして、彼女は古村苗に視線を向ける。

「つまり、鈴木医師のことが好きなんですね?」

古村苗は小さく頷くと、深くため息をついた。

「でも……鈴木さんには、同情や罪悪感から私と一緒にいてほしくないんです。そんなのは、私が望む形じゃありません」

林田里佳はふっと笑った。

「どうして罪悪感だけだと思うんですか? さっき足から血が出た時、鈴木医師がどれほど慌てていたか、見ていなかったわけじゃないでしょう?」

古村苗は俯き、黙り込んだ。彼女もまた、そのことには気づいているのだ。

ただ、心の整理がつかず、見ないふりをし続けているだ...

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