第371章

「つい、抑えきれなくてな」

原田桐也は安藤絵美の桜色の唇に口づけた。その瞳の奥には、人を溺れさせるほどの甘い光が揺らめいている。

安藤絵美は彼の端整な顔立ちを見つめ、思わず胸を高鳴らせた。

彼女が見惚れているのに気づき、原田桐也は口元の笑みを深める。磁石のように人を惹きつける低音で、優しく語りかけた。

「もう少し寝ていくか?」

安藤絵美はハッと我に返り、頬を微かに染めながら首を横に振った。

「ううん、支度があるから」

そう言って、彼女はベッドから身を起こした。

腰の微かな鈍痛を堪えつつベッドを降り、浴室へ向かおうとした瞬間――膝の力がふいに抜け、そのまま床へ崩れ落ちそうになっ...

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