第373章

古村苗はきょとんとして、反射的に首を横に振った。

「もちろん、違います」

それを聞くと、鈴木雲は身を乗り出し、じっと古村苗を見つめた。

「嫌いじゃないなら、どうして俺と一緒に歩きたがらない?」

端整な顔がすぐ目の前に迫る。古村苗は彼から漂う清冽な香りに包まれ、頬がカッと熱くなるのを感じた。心臓の鼓動さえも、制御不能なほど激しく高鳴っていく。

「じゃあ、行きましょう」

彼女は慌てて瞬きを繰り返すと、そう言い捨てるなりすぐに背を向けた。鈴木雲に、赤くなった顔を見られたくなかったのだ。

手と足が一緒に出るというぎこちない歩き方で進む彼女の背中を見送りながら、鈴木雲の口元が自然と綻んだ...

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