第375章

真剣な表情で食い下がる古村苗を見て、鈴木雲は悟った。彼女はどうあっても、この海鮮料理を食べる気だ。

彼は心の中で盛大に溜息をつく。自分がいささか心配性すぎるという自覚はある。

だが、万が一ということもある。もし古村苗が食べて、体に障ったらどうするというのか。

親友である原田桐也は、鈴木雲の苦渋に満ちた顔を見て笑い出し、その肩をポンと叩いた。

「まあまあ。せっかく仁志島まで来たんだ、古村苗に好きなものを食べさせてやれよ」

「……」

「もし腹を壊したとしても、ここには腕利きの医者がいるじゃないか。お前がついてて、古村苗を見殺しにするわけないだろう?」

鈴木雲は呆れて原田桐也を見た。...

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