第384章

司会者が『黄昏の薔薇』の開始価格を三億と告げる。

すぐに誰かがパドルを上げ、価格はまたたく間に三億五千万まで跳ね上がった。

デザインしたのが亡きジュエリー・デザイナーの巨匠・エイダであるという点だけでも、これを見逃そうとする者はいない。

四宮喜咲も自信満々にパドルを掲げる。

「五億」

彼女がパドルを下ろすや否や、安藤絵美がすかさず手を挙げた。

「五億五千万」

四宮喜咲は即座に振り返り、安藤絵美のパドルを睨みつける。その瞳の奥には、隠しきれない冷たい光が走った。

対する安藤絵美は、淡い笑みを浮かべて四宮喜咲を見返すだけだ。その表情はあくまでも平然としていた。

頭を戻す暇もなく...

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