第392章

「君の言う通りだ。安藤絵美は幸運だよ。自分の危険を顧みずに海へ飛び込んで助けてくれる原田桐也がいるんだからな」

 そこで鈴木雲は言葉を切り、深海のように幽玄な瞳で古村苗をじっと見つめた。彼女が反応する間もなく、彼はその額に口づけを落とす。

 そして、古村苗に告げた。

「俺も幸運だ。君が身を挺して刃から守ってくれたおかげで、今こうしてここに座っていられる。苗ちゃん、今度は拒絶しないでくれ。昨夜助けてくれたからじゃない。ようやく気づいたんだ、俺は本気で君を愛していると。……俺と結婚してくれ」

 古村苗は呆然とした。まさか鈴木雲から突然の愛の告白を受けるとは、夢にも思わなかったからだ。

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