第399章

「ちょっと、何をするのよ。ここは屋敷の門前じゃない。誰か帰ってきたらどうするつもり?」

 古村苗は少しむっとした様子で鈴木雲を睨みつけた。こういう軽率な振る舞いは良くない、と彼女は思っている。

「俺たちは恋人同士だろ。抱きしめるぐらい何の問題もない。それより、まだ返事を聞いてないぞ」

 鈴木雲は腕を緩めようとはせず、古村苗に答えを求めた。

 古村苗は仕方なく口を開く。

「……その時が来たら考えるわよ。今はまだそんな気になれないし、私だってまだ若いんだから」

 鈴木雲は一つ溜息をついた。彼女の言い分にも一理あることは分かっていた。

 安藤絵美が原田桐也と結婚するのは、彼女には既に...

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