第405章

原田桐也の名前を口にする時の安藤絵美の、その幸福に満ちた横顔。それを見るだけで、四宮志延は娘が本気で彼を想っているのだと悟った。

同じ男として、彼にも分かる。原田桐也もまた、真剣に安藤絵美を愛しているのだと。そうでなければ、己の命すら顧みずに彼女を救おうとするはずがない。

そうなれば、この未来の婿を認めるほかなかった。

四宮志延は、静かに娘に語りかけた。

「分かった。お前が決めたことなら、父さんはもう何も言わない。お前が幸せでいてくれるなら、それでいい」

その言葉を聞き、安藤絵美の顔に安堵の笑みが咲く。

彼女は四宮志延と昼食を共にすると、すぐに車を走らせて至宝グループへと戻った。...

ログインして続きを読む