第417章

安藤絵美は小さく溜息をついた。原田桐也が隣にいる生活に慣れすぎてしまっていたようだ。たった一晩、彼が不在だっただけで、これほどまでに調子が狂うとは。

「たった一晩、離れただけなのにね」

安藤絵美は自嘲気味に笑うと、ベッドから抜け出し身を起こした。

素足でふかふかの絨毯を踏みしめながら、ウォークインクローゼットへと向かう。今日の装いに選んだのは、黒のセットアップスーツだった。

「パパ、ママ、早く起きてー! お日様がもう高いよー!」

達也がドアをドンドンドンと激しく叩いている。安藤絵美は苦笑しながらドアを開けた。

「あれ? ママ一人? パパは昨日帰ってこなかったの?」

達也は寝室の...

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