第418章

「どうして、あなたが来るの?」

 林田悟朗の姿を認めるなり、山田礼佳は堪えきれない様子で声を上げた。

 その露骨な反応に林田悟朗は内心で首を傾げたが、努めて事務的に告げた。

「桐也様は急用が入られまして、本日はお越しになれません。こちらは、桐也様から山田さんへの見舞いの品として預かってきたものです」

 山田礼佳の瞳から、すっと光が消えた。今日こそ原田桐也に会えると思っていたのに、まさか姿すら見せないとは。

 その傍らで、母親の山田保美がぎろりと目玉を動かした。原田桐也本人が来なければ、娘が取り入るチャンスなど万に一つもないと悟ったのだ。

 一拍置いて、彼女はあからさまに不機嫌な色...

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