第419章

病床の山田徳尚は妻の服の裾を掴もうとしたが、無慈悲に振り払われた。

「やっと桐也様のお出ましってわけかい?」

山田保美の声は甲高い。

「どうやらウチの人の命なんて、桐也様にとっちゃこれっぽっちの価値もないようだしねえ」

安藤絵美は原田桐也の腕に手を添えていたため、彼の腕の筋肉が硬直するのを肌で感じた。彼が怒りを抑えきれなくなっているのは明白だった。

そこで彼女は一歩前に出ると、非の打ち所のない微笑みを浮かべた。

「こちらが保美さんですね。わたくし、安藤絵美と申します。桐也様の婚約者です。山田さんが骨折されたと伺いましたので、桐也様とご一緒に様子を伺いに参りました」

彼女は目配せ...

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