第420章

「あなたに甲斐性がないから、私たちがこんな真似をしなきゃいけないんじゃない!」

山田保美は夫である山田徳尚を激しく睨みつけると、矛先を娘に向けた。

「礼佳、あんた、さっきはどういうつもり? 急に諦めるなんて言い出して。せっかくの好機だったのに」

山田礼佳は母親に向き直り、冷静に答える。

「お母さん、桐也様の言葉を聞いてなかったの? 彼の会社では今のところ求人の予定はないって言っていたわ。安藤絵美は自分の会社に来ればいいと言ってくれたけど、あの女が本心で言ってると思う? もし本当に入社したとしても、きっと何かにつけて私をいじめるつもりよ。それに、絶対に桐也様に会う機会なんて作ってくれな...

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