第421章

「桐也様、では失礼いたします」

 林田悟朗はそれ以上言葉を重ねず、速やかに原田桐也のオフィスを後にした。主の邪魔をしてはならないという配慮だろう。

 昼時、安藤絵美は車を走らせて原田桐也の会社へと向かった。彼をランチに誘うためだ。

 ロビーに足を踏み入れた途端、休憩スペースにいる山田礼佳の姿が目に入り、思わず足を止める。

「山田礼佳?」

 安藤絵美は歩み寄り、相手が間違いなく山田礼佳であることを確認した。

「どうしてここに?」

 まさか、昨日原田桐也に拒絶されたというのに、まだ諦めきれずに仕事をねだりに来たのだろうか。

 山田礼佳はここで安藤絵美に遭遇するとは予想していなかっ...

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