第43章

達也ちゃんは「うん」と一声上げて、理解したことを示した。

原田桐也は冷蔵庫からミルクパックを取り出し、自ら達也ちゃんと哲也ちゃんのために二杯を温めた。

達也ちゃんと哲也ちゃんは大人しく椅子に座り、小さな手でミルクを持ちながら嬉しそうに飲んでいた。

原田桐也はその横に座り、二人の可愛らしい様子を見つめながら、胸の内に複雑な思いを抱いていた。

あのろくでなしの男さえいなければ、この二人は自分のものだったはずなのに。

四十分後、田中淑子が自ら作った料理を持って訪れた。

「わあ!すごくいい匂い!おじさん、太っ腹だね。こんなにたくさんのごちそう持ってきてもらうなんて」

使用人が十数品もの...

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