第430章

「まさか、うちの娘に限ってそんなことあるわけないでしょう! 出鱈目を言うのはやめてちょうだい。菜奈は小さい頃から蟻一匹殺せないほどお利口で優しい子なのよ。わざと足をかけるなんて、絶対にありえないわ」

田中の母親がそう捲し立てるや否や、傍らにいた警察官がバンッと机を叩いた。

「ここは警察署だ、市場の喧嘩じゃないんだぞ! 田中菜奈の傷害容疑に関しては証拠も揃っている。法に則って厳正に処理する!」

田中の父親は顔を青ざめさせながらも、声を荒げた。

「弁護士を呼ぶ! 娘を刑務所になど入れさせてたまるか!」

そう言い放つと、彼は安藤絵美を悪鬼のような形相で睨みつけた。

「友人のために強がっ...

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