第44章

玄関に着くと、原田桐也はすぐにドアを開けた。

「ママ」

「哲也、やっぱりここにいたのね!」

安藤絵美はしゃがみ込み、哲也ちゃんをしっかりと抱きしめた。

元々達也ちゃんはソファに座ってアニメを見ていたが、お兄ちゃんがママにぎゅっと抱きしめられているのを見て、すぐにソファから飛び降りた。「ママ、僕もいるよ」

安藤絵美は手を伸ばし、駆け寄ってきた末っ子も一緒に抱きしめた。

古村苗は大きくため息をつき、腰に手を当てながら言った。「あなたたち二人、勝手に出かけちゃダメでしょ。私と絵美ちゃんは警察にも通報したのよ。私たちがどれだけ探し回ったか分かる?」

哲也ちゃんは安藤絵美の腕から身を乗り...

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