第55章

やはり、安藤絵美が言い終えると、原田真の顔に浮かんだ笑顔はより一層心からのものになった。

それを見て、安藤絵美は自然に尋ねた。「原田おばさん、何かご用件でしょうか?」

原田真はため息をついて、すぐには安藤絵美に答えず、こう言った。「青が高熱を出したの。かなり重症で、昨夜は病院で何時間も救急処置を受けて、今朝になってようやく目を覚ましたわ」

安藤絵美は一瞬固まった。早坂青がどうして熱を出すというのだろう?

確かに昨夜は大雨だったが、早坂青が何時間も雨の中を歩いていない限り、あれほど重い熱を出すはずがない。

そして昨日早坂青を見かけた時、彼はとても元気そうだったのに。

早坂青に嫌悪感...

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