第65章

安藤羽言の体が強張った。

彼女は振り返り、涙ながらに面持ちを氷のように冷たくした原田真を見つめた。

「おば様、私は本気で青を愛しているんです。もし愛していなければ、以前彼が刑務所に入った時、わざわざ弁護士を雇ってまで助け出したりしませんでしたわ」

原田真は冷ややかな視線を彼女に浴びせた。

「青があんたにどれだけの大金を貢いだと思っているの? 弁護士を雇うぐらい当然でしょう。荷物をまとめてさっさと出てお行き。二度と私の目の前に現れないでちょうだい」

原田真に取り付く島もないと悟った安藤羽言は、涙に濡れた瞳を再び早坂青に向けた。

「青、本当に私のこと、もうこれっぽっちも愛して...

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