第75章

安藤羽言は力強く頷いた。

「はい、何でもさせていただきます」

早坂青の瞳にも欲情の色が濃くなり、その奥には邪悪な光が宿っていた。

彼の眼差しの変化を見て、安藤羽言は内心でほくそ笑んだ。

やはり、母さんがくれた香水は効果覿面だったようだ。

母さんは言っていた。この香水さえ使えば、どんな男でも理性が吹き飛び、手を出さずにはいられなくなると。

果たしてその通り、次の瞬間には早坂青が彼女を抱き上げ、そのまま別荘へと連れ込んだ。

ベッドに放り投げられた時、安藤羽言はこれでまた好きなだけブランド品が買えると、喜びを噛み締めていた。

だが、その浅はかな考えは、わずか十分後には跡形もなく消え...

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