第77章

「お父さん。リストラなんて大事(おおごと)、私に相談もなしに進めるなんて、どうかしてるんじゃない?」

その時、会議室の入り口から突然、凛とした声が響いた。

一同が振り返ると、そこには安藤絵美が立っていた。

安藤丘は彼女の姿を認めるなり、顔をさらに曇らせる。

「誰がここへ通した?」

「会社の株の半分を持っている私が、どうしてここに顔を出してはいけないの?」

安藤絵美はそう言いながら、室内へと歩みを進める。

それを聞いた安藤丘は、フンと鼻を鳴らした。

「株は持っていても経営権はないはずだ。前にも言っただろう。南町のプロジェクトを勝ち取らない限り、お前に会社を経営する資格はないとな...

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