第20章

小林美咲は高橋信二に会いに行きたくなかった。もう十分見たからだ。しかし、田中遥はそれを知らず、彼女を無理やり階段を下へと引っ張っていった。

「せっかくイケメンが学校に来たんだから、見ないとだめでしょ」田中遥は親友の考えに不満そうだった。

校長と学校の先生たちが高橋信二を取り囲みながら、校門から中へ入ってきた。

「ほら、すごくカッコいいでしょ。それに、あなたの医療費も彼が払ってくれたんだから、直接お礼を言うべきよ」

田中遥は小林美咲を引っ張りながら、人混みの中へと押し入っていった。

周りの女子生徒たちの不満げな視線を浴びながら、田中遥はついに小林美咲を最前列まで連れてきた。

小林美...

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