第22章

小林美咲は、今、心が恥ずかしさでいっぱいだった。確かに高橋信二はズボンを脱がせる時に顔を横に向けてくれたけれど、この人はトイレから出て行こうともしなかった。

「ちょっと、出ていってくれない?」

小林美咲は小さな声で言った。高橋信二がトイレから出て行ってくれることを願って。

高橋信二は小林美咲に背を向けたまま、きっぱりと拒否した。

「ここにいる。お前がトイレを済ませたら、ズボンを履かせてやる」

「必要な時は呼ぶから」

小林美咲は小声で言った。

「分かってるんだぞ。絶対に痛みを我慢して、あるいは注射した方の手でズボンを上げようとする。言っただろう、面倒なことは嫌いだ」

高橋信二は...

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