第23章

小林美咲は高橋信二のキスを求める態度に一瞬固まり、その後再び力を込めて彼を押しのけた。

高橋信二は不満げに小林美咲を見つめた。

「どうしていつもこうなんだ?キス自体が嫌いなのか、それとも俺とのキスが嫌いなのか?」

小林美咲は首を横に振った。彼女にとってキスは恋人同士がするものであり、高橋信二と自分はそういう関係ではなかった。

小林美咲は将来、高橋信二の育ててくれた恩を金銭で返したいと思っていた。こんな形ではなく。それは彼女に自分が娼婦のように感じさせるものだった。

高橋信二は深く息を吸い込み、拳を握りしめた。彼は再び小林美咲に一歩近づいた。

小林美咲が緊張を感じていた瞬間、寝室の...

ログインして続きを読む