第42章

残業がなかったため、小林美咲は退社時に空の太陽を見上げ、ようやく満足げな笑みを浮かべた。

「自由って本当に最高だわ」

小林美咲は深呼吸をして、バス停でバスを待った。

バスが来ると、小林美咲は乗り込んだ。

各企業の退社時間帯だったため、バスは混雑しており、小林美咲は二つ目の停留所を過ぎてようやく席を確保することができた。

しかし次の停留所で、子供を抱いた女性が乗ってきた。

小林美咲は自ら立ち上がり、その女性に席を譲った。

女性は小林美咲にお礼を言って座ると、彼女の腕の中の子供が好奇心いっぱいの目で小林美咲を見つめていた。

「お子さん、かわいいですね。何歳ですか?」

小林美咲は...

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