第43章

小林美咲は髙橋信二から電話を受けて叱責されると思っていたが、髙橋信二はただ服を受け取り、軽く頷いただけだった。

「次にこういう状況があったら、私に言ってくれ」

髙橋信二はそう言うと、背を向けて階段を上り、部屋へ戻っていった。

小林美咲は驚きながら髙橋信二の背中を見つめ、疑問を抱いた。

「これが私の知ってる髙橋信二なの?なんだか随分変わったみたい...」

小林美咲は首を傾げて考えたが、どうしても理解できず、結局髙橋信二が疲れすぎて彼女と口論する気力もないのだろうと思うしかなかった。

翌日、小林美咲は出勤する必要がなく、田中遥に電話をして泥棒捕まえの進展を尋ねようと思ったが、田中遥の...

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