第50章

高橋信二は寒さに耐えながら、ようやく別荘に戻った。小林美咲は半ば彼にしがみついていた状態で、それを見た山田さんは驚きのあまり固まってしまった。

小林美咲がこんな行動を取るなど、今までに一度もなかったことだ。しかし山田さんが小林美咲から漂ってくるアルコールの香りを嗅いだとき、すぐに理解した。彼女は酔っていたのだ。

山田さんは素早く対応し、温かいタオルを用意して高橋信二に手渡した。

「では旦那様、奥様のことはお任せします。私は下がりますので」

山田さんは階下へ降りる際、とても艶めかしい表情を浮かべていた。彼女の心の中では、高橋信二がいない間に小林美咲にお酒を飲ませてみようかと考えていた。...

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