第8章

美咲の顔が再び蒼白くとなり、両手を強く握りしめたまま、反論の言葉を見つけられなかった。

高橋家の別荘に戻ると、山田さんが嬉しそうに出迎え、ケーキを持ってきた。

「お嬢様、これは若旦那様が特別にご用意させていただいたものです。お誕生日おめでとうございます」

美咲は山田さんの慈愛に満ちた笑顔を見つめ、蒼白い顔に無理な笑みを浮かべた。

「ありがとうございます」と一言言って、物置部屋に戻った。

部屋には新しい服が置かれていた。美しいロングドレスで、きっと高橋信二が山田さんに用意させたものだろう。

美咲はその綺麗なドレスを見つめ、顔がさらに青ざめた。夜に何が待ち受けているか、分かっていたか...

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