第681話検討します

ウィノナはふんと鼻を鳴らし、彼の横をすり抜けて身支度を整えにバスルームへ向かった。「あなたの記憶力じゃ、金魚ほども覚えていられないでしょうね。覚えていたとしても、明日には忘れてるんじゃない?」

ザカリーはしょんぼりした様子で彼女の後をついていった。「覚えてる。頭の中だけじゃなくて、日記にも書き留めてあるんだ」

ウィノナは立ち止まり、彼の方を振り返った。「日記?」

言い過ぎたと気づいたザカリーは口ごもった。「ウィノナ、少し考えさせてほしい。時間が欲しいんだ。すぐに返事をするから」

ウィノナは返事をせず、同意したのかどうかも分からないままだった。

身支度を終え、二人は階下へ降りた。テーブ...

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