第687話夫を探さない

「たいしたことないわよ」ウィノナは、たくさんの袋を抱えて遅れているザカリーを振り返りながら言った。

彼女の視線に気づくと、彼はことさらに情けない表情をしてみせたので、ウィノナは思わず笑ってしまった。「お義母さん、スキンケア用品はもうこれ以上いいんですよ。たくさんありますから。ご自分で使ってください」

リディアは答えた。「女性にとってスキンケア用品は靴みたいなものよ。いくつあっても困らないの」

ザカリーが間髪入れずに口を挟んだ。「ただ使用期限が切れるのが心配なだけだよ。母さんの化粧台の引き出し、もうパンパンなんだから」

リディアは振り返り、彼の頭を軽く叩いた。「ウィノナと話してるのよ。ど...

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