第158話夢の中のパパ

ノラ視点

心臓が止まるかと思った。四歳の息子が口にした、たった一言の罪のない言葉。それで、部屋の空気が一瞬にして凍りついた。

「パパの……夢を見たの?」私は囁いた。息子のくしゃくしゃの黒髪を撫でていた指が、途中で凍りつく。

エイデンはこくりと頷き、あの突き刺すような緑色の瞳――アレクサンダーの瞳――を輝かせながら顔を上げた。まるで埋められた宝物を見つけ出したみたいに。「すっごく背が高くて、かっこよかったんだ!それにね、僕と同じ緑色の目をしてた!」

膝ががくりと折れた。危うく、恐竜柄のラグに顔から突っ込むところだった。一体どうして、エイデンがアレクサンダーの姿を知っているっていうの? 私...

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