第163話怖い巨人は私のパパじゃない!

エイデン視点

ここ、大っ嫌い。バカみたいなおとぎ話に出てくるお城みたいに、やたらでかくてピカピカしてる。おもちゃなんてどこにもないくせに。怖い目をした、すっごく背の高い男が僕のパパだって言い張ってるけど、そんなのバカげてる。僕にはもうパパがいる――まあ、一応は。ママはチャールズって呼んでる。彼はアイスを買ってくれるし、このヤな奴みたいにいつも睨みつけたりしない。

「ここにいるもんか!」僕は叫んで、高級そうなカーペットに身を投げ出し、野生動物みたいにゴロゴロ転げ回った。

「おい」怖い巨人が言う。大人がキレる寸前に言うみたいに、言葉を引き延ばしながら。「頼むから、床で転げ回るのはやめてくれ」...

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