第19章:キス・フォー・ザ・ディール・トゥナイト

ノーラ視点

研究室は、私がキーボードを叩くリズミカルな音を除けば、死んだように静まり返っていた。私はスクリーンを睨みつける。眉間にこれでもかというほど皺が寄り、頭痛が始まりそうなのを感じていた。このクソみたいな処方――もう十七回もいじくり回したっていうのに、製造コストは未だに天井知らずだ。

「もう一回だけ」私はかすむ目をこすりながら呟いた。時計は午後九時半を指している。研究開発部はまるでゴーストタウンだ。

重いため息をつき、滅菌手袋を剝がして椅子の背にもたれかかる。静寂が重い毛布のように私を包み込んだ。瞬きをして目を開けると、研究室の隅に追いやられた鉢植えが視界に入った。

「待って……...

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