第49話オモチャのように閉じ込められた

ノーラ視点

目が覚めるとベッドは空っぽで、アレクサンダーが寝ていた側のシーツは氷のように冷たかった――彼が出ていってから何時間も経っている。昨夜の混沌が、貨物列車のように私に突っ込んできた。薔薇色に染まったバスタブの水、彼の剥き出しのパニック、私が聞いていないとでも思ったのだろう、あのひそひそとした告白。そして最後は、私がまるで空気の中に消えてしまうとでもいうように、彼の腕にがっちりと抱きしめられたまま眠りに落ちたこと。

伸びをしながらバスルームへと向かい、戸口で凍りついた。一体、何なのよ、これ? その空間からは、少しでも色味のあるものがすべて取り払われていた。私のローズオイルは? ない。...

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