第80章:ついに自由にあなたを愛せるようになりました

リアム視点

ハイクレスト邸の書斎にある祖父の大時計が、無慈悲に時を刻んでいる。その一秒一秒が、デイジーが残した空白を俺に突きつけてくるかのようだ。机の上では彼女の写真が俺を見つめ返していた――何年も前に俺の心を奪った悪戯っぽい輝きを宿した、あのエメラルドの瞳。ちくしょう、会いたくてたまらない。彼女のいない一瞬一瞬が、じりじりと胸を焦がす痛みだった。

鋭いノックの音で、俺は物思いから引き戻された。

「入れ」俺は革張りの椅子に座り直し、声をかけた。

アシスタントのジェンキンスが、封をされたマニラ封筒を手に部屋に入ってきた。その表情は平静を装っていたが、目には緊張がちらついている。「結果です...

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